私(中村)は理学療法士という医療系国家資格と、ヨガインストラクター両方の資格保持者です。
医療系は体と病気の専門家です。
ヨガイントラは心身相関とヨガの思想(インド哲学)の専門家です。
心身相関の専門家というのはやや曖昧ですが、比重は体よりも心によっています。
今まで教えを乞うてきたヨガの先生方に体の専門家がいたかというと首をかしげざるを得ません。
だからこそ私の西洋のヨガ先生は唯一理学療法士でかつヨガの先生です。
その先生以外、体の説明で心底納得したことはありません。
ヨガの専門は基本「心」です。
体の専門家になるためには、解剖学、運動学、生理学、病理学などを学ばなくてはいけません。
だから専門的なシラバスがあるのです。
RYTのように、単位認定だけで試験もないようなシステムで体の専門家になれるわけがありません。
しかし、怖いのは「先生」という便利な称号です。
クラスを受ける生徒さん方にとって、ヨガの「先生」も医療系の「先生」も同じレベルで捉えています。
「先生」が言われたことは絶対だという(他力好きな日本人ならではかもしれませんが)、思い込みがあります。
ヨガの先生の一言は重いのです。
医師の言葉並みの重さを持っています。
だから、適当な知識で、知ったかの知識で体の専門家ぶっているヨガイントラさんの話を間に受けてしまいます。
「〇〇アーサナは〇〇の病気に効きますよ。」
「胸を開いて顎を引く、肩甲骨は寄せる。ターダーサナが正しい立ち方だからね。」
「反り腰は良くないから尾骨をたくし入れて腰はフラットにするのが本来の姿勢よ。」
めちゃくちゃな指導がはびこっています。
それを真に受けている生徒さん達も、被害者的に広まっています。
アーサナアナトミカルアプローチでは、解剖学、運動学的に理にかなっていない方法は、インドの慣習だとしても指導はしません。
なんちゃっての体の専門家の知識ではなく、医学に基づいた指導をします。
インドでも、ヨガの対象は心であって体の調整法ではありません。
体を調整したいならアーユルヴェーダにかかります。
医療ではないたかが健康法ですが、されど人の人生を変えうる健康法です。
責任は重大です。
3A’sで学んだヨガのイントラさん、愛好家の方々は自信を持って指導と実践をしていって下さい。
この3A’sの輪が広がって、客観的で安全なヨガの指導が広まることを夢描いています。
ヨガで怪我をする方、ヨガで迷妄する方が減りますように。