なぜ僕が「アーサナアナトミカルアプローチ」を作ったのかの理由を説明します。
医学の基礎は解剖学、生理学です。
そこは揺らぎません。
どんな専門の科に分かれようと、職種に分担されようと基礎は変わりません。
ヨガも基礎はラージャヨガである「ヨガスートラ」でしょう。
しかしそれは思想、指針、解説であり実践法ではありません。
実践法は各自に任せられ、それは流派として伝わっています。
一応の基礎的モデルとしてハタヨガの古典文献はありますが、それもある特定の人物が書いたものであり、それが医学のようなすべてに通じる基礎とは言えないものです。
つまりヨガの実践はある個人の主観を主体、起源とした「流派」でしか学べないのが現状なのです。
〇〇ヨガと名の付くものは山ほどあり、人の名前が付けられているものも多々あります。
〇〇さんのヨガという意味です。
でもそれがまるでヨガの基礎みたいにして広まっています。
僕がアーサナアナトミカルアプローチをまとめたのは、医学を基礎とした不変的な基準を作りたかったからです。
流派ではないロジカルな医学的なものに立脚しているものが必要だと思ったからです。
これは全ての流派に通じる、全ての流派を説明する基礎です。
流派を否定するものではないし、流派を作りたいわけでもありません。
体はヨガでも医学でも同じ体です。
一応医学を学んだ端くれとして、少しでも主観ではなく、誰でも理解できて、効率的で体の構造と矛盾のないアーサナ、ヨガの実践をして欲しいと思っているのです。
本来ヨガの先生が一番に基礎として学ぶべき内容を作ったつもりです。
流派はその後に、個人の趣味として選べばいいと思います。
現状は、基礎がないので、選べないんです。
自分で、流派を選べないし、実践の中でも自分で受け入れるものと受け入れないものを決めることもできません。
なぜなら自分の骨格や、体の特徴を知らないし、ヨガのバリエーションも知らないからです。
アーサナアナトミカルアプローチを広め伝えることは、基礎づくりをしていることなんです。
多くの方に、自分にあったヨガを選べるように、またできるだけ安全で医学と矛盾しない安心なヨガを提供するために、少しでも一助になればと思っています。
流派ではないので、依存を作りたくはありません。
特に救いを与えているわけでもありません。
ここには客観的な事実しかありません。
ヨガに特別な高揚感や、芸能人のような熱狂感を作ることは求めていません。
あくまで基礎です。
僕は人生の楽しみや生きがいはヨガではなく、社会貢献や子育て、仕事、日常などにあると思っています。
自分と向き合い、他者に過度な依存をせずに、大人として自立したプラクティスができる方が増えるように、これからもアーサナアナトミカルアプローチを伝えていきます。